2013年06月02日

ナショナルギャラリー Saturday film programme

ボートで酒場に向かうシーン
マネ 「ボート遊び」 1874

忘れないうちに。

ナショナルギャラリーでは月に一度、自館収蔵のひとつの絵画についての勉強会とそのテーマに関連した映画の上映会があります。
今月はマネの 『 カフェ・コンセールの一隅 』
http://www.nationalgallery.org.uk/paintings/edouard-manet-corner-of-a-cafe-concert

今回の映画はCasque d'or (邦題:肉体の冠) Jacques Becker監督 1952年公開のフランス映画。
内容は19世紀末パリでのギャングの娼婦と大工の恋の悲劇。
みてみるとああなるほど、セーヌ川のボートや酒場のシーンはまさに印象派絵画でみるような風景。
19世紀後半のパリはナポレオン3世の都市計画で街が整備されて、ヨーロッパの芸術の都として栄えていくころ。
フランス革命、産業革命を経て社会構造が変わり、街が変わり、そして人々の生活、価値観も変わってく。
新しい娯楽、新しい階層、酒場、女性の立ち位置、
印象派の画家たちはそんなパリの雰囲気を描く。
…と最初は絵や時代背景のことを考えていたのですが、
途中から物語にひきこまれて終わったときには完全に映画の世界に入り込んでました。
古い映画好きなんですよね。
ラストシーンが強烈で、そこに使われていたシャンソンの’さくらんぼの実る頃’のメロディーがずっと頭のなかぐるぐるしていて。
で、その余韻をまとったままふらふらギャラリーの方にいって印象派の部屋にいってみると
違うんですよー!いつもと。
絵の中の人物の服装とかいままで気にしなかったことが見えてきて、新たなとっかかりが作品鑑賞を充実させてくれたのだと思います。

外にでたらトラファルガー広場が騒がしい。トルコの騒動を受けて現トルコ政権に対するデモでした。
プラカードや旗で叫ぶ若者、警官、それを撮影する観光客、大道芸人、ホームレス、そして私。
19世紀パリから一気に2013年ロンドンに戻りました。

100年後どんな作品がこの時代を語るんだろう。



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