2012年10月28日

コートールドギャラリー



あとでちゃんと調べてからまとめて…と思っていてもほぼ100%できずにおわる。

でもその日のうちに書くとあったことを並べるだけになってしまう。

まあいっかなんでも。

今日は外にでたら空気が違った。景色は秋だけどぴしっと寒くて、澄んだ空気。もう冬だ。
そういえば日も短くなってきた。確かもうすぐサマータイムが終わるはず。

私の最寄駅はsurbiton。そこから電車でwaterlooまでだいたい30分。六合から静岡いくのと一緒くらい。
普段はwaterlooから地下鉄に乗り換えて目的地に向かうけど今日はそのまま駅をでて歩く。

south bank centerはその名の通りテムズ河の南側サウスバンク地区にある文化施設。そこにあるHeyward Galleryの場所が知りたかった。今日のメインではないので建物だけみてテムズ河を渡る。風が冷たい。

橋からみえる風景はロンドンらしい。時代時代の建築がずらりと並んでいる。寒いけど観ていたい。

今日の目的はCourtauld Gallery。橋を渡ってすぐのSomerset houseの中にある。
授業でとりあげて以来印象派づいている単純な私。
ここはルネサンスから20世紀前半までの西洋絵画、特に印象派とその後の作品が充実している。規模は小さくてもお腹いっぱいになる。むしろこれくらいの大きさがちょうどいい。絵画を観るのは楽しいけれど、立ちっぱなしでこれはなんだろうって考えてたら当然疲れるし集中力もきれる。

感動したー。だけで終わらせたら意味がないので考えたことを文章にしてみる。
これまでの私はその絵の持つインパクトや雰囲気を楽しんでいた。
だけどそこに絵の持つ歴史的背景、主題、技法、それから展示空間、並び、キャプション、他の鑑賞者等の新しい切り口を知るともっとおもしろいことを知った。

今日気に入ったのはEdgar DegasのWoman at a window。

踊り子を描いた絵で有名なデガ(ドガ?)。
19世紀後半のパリ。近代化された都市。生活の変化。格差。人権。ジェンダー。権威的なアカデミーへの反発。画材の向上。色彩理論。 ああ文章になっていない。
それまでの写実的な絵と違って、その雰囲気をとらえようとしたところ、絵が社会的メッセージを含んでいること、oil on paper on linenというちょっとよくわからないけどなんだか実験的なところ、全体的にもわんとしていてミステリアスなところ、に惹かれました。

この建物はかつてロイヤルアカデミーがあった。18世紀ここでこの壁いっぱいに絵がかけられて議論されていたのかと思うと不思議。よかった万人に公開さるようになって。でもなんで遠く離れた全く違う文化圏からきた私がこんなにありがたがって100年も前の絵をみるんだろう。この絵をみなくたって不自由なく生きていける。なんで人は絵がみたくなるんだろう。

その後サマセットハウス内の他のギャラリーもみる。
Tim Walkerという人の写真展をやっていた。そういえば写真の観方がよくわからない。
写真で思い出すのは広河隆一さんのNAKBAという映画にでてきた無言のピースの女の人の写真。それはとても強く印象に残っている。
だけどそういうジャーナリズム的な写真とアート作品としての写真はちがう。メディアじゃなくて作品。オリジナリティ、広告、対象、偶然性、意図的、景色、スタジオ、現実、フィクション、もはや文章にできない。

ここらへんでエネルギー切れ。

そんな一日でした。

Courtauld Gallery
http://www.courtauld.ac.uk/index.html  


Posted by u at 08:54Comments(2)museum/gallery

2012年10月25日

今日あったこと



来週はEnrichment weekといって読書やエッセイの準備をするための一週間。授業はなし。
ほとんどの学生は実家に帰ったり旅行したり、まじめに読書にふける学生はあまりいないよう。
私は今までの復習や、エッセイとプレゼンテーションの準備、それからまだロンドンでみていない美術館ギャラリーめぐりをする予定。天気が良ければ日帰りでウェールズの方にいってみたい。

今日の授業はナショナルギャラリー集合。
印象派とその後の運動を先週の授業で扱ったので、実際の作品をみて先生がおさらいするところから始まり、その後ペアに分かれてひとつの作品を分析する。
作品を目の前にしてこんなに感動しているのにそれを表す言葉がでてこない。
自分の単語の範囲内でどうにか表現できたとしても薄っぺらくて貧しい。
授業を聞いてなんとなくわかったつもりでいた時代の流れもあやふやだった。
とっても悔しい。


  


Posted by u at 06:06Comments(0)kingston

2012年10月14日

admission free



ロンドンの美術館はほとんどが入場無料。

美術館ができた時の啓蒙という概念が定着しているというか。数の多さも人の関心の高さも全然ちがう。

国からのどれだけの補助があるかはわからないけれど、事業仕分けで真っ先にカットされてしまうようなことはきっとないのでしょう。それに美術館が無料でもその付随する経済効果は無視できない。テート、ナショナルギャラリー、大英博物館あたりは世界中から観光客が訪れるロンドン観光の目玉になっている。

もし入場料をとったら…ある程度人数が制限されて人混みの中よりもじっくり作品を堪能できるかもしれない。作品の保存にはいいかもしれない。美術館が潤えばコレクションがもっと充実するかもしれない。

だけどやっぱり美術館は誰でも気軽に立ち寄ることができる開かれた場所であってほしい。

美術館自体は何もしていないかというとそうではなくて、常設の収蔵品展は無料でも企画展はチケットが必要だったり、寄付の箱がそこらかしこにあったり、フロアマップが有料だったり、それからやっぱりショップやカフェが充実している。





写真はSaatchi Gallery。 地下鉄のSloane squareから歩いてすぐ。この辺りはこぎれいなショッピングエリア。白いクラシックな外観だけど、中はシンプルでまわりやすい。
いまは写真の展示。キャプションはアーティストと作成年のみのシンプルな説明。お買いもの途中のアート鑑賞にはいいかもしれないけれど、私はもうちょっと説明が欲しい。と思っていたらパンフレット発見。しかも1£。必要な人はこうして買えばいい。紙も無駄にならない。
大きさを必要とする写真はもはや写真というかその空間をつくるインスタレーション。人が作品と対峙しているとことをみるとああいいなあと思う。







  


Posted by u at 07:57Comments(0)museum/gallery

2012年10月12日

5年前と今

前に留学したときと今回とでは全く違う。語学留学と学部留学の違いもあるけれど、やっぱり自分がこの5年で変わった。

まずなんといっても体力。なんかこうもっとがつがつしてた。なんでもやってみようっていうか、じゃんじゃん旅するぜっていう感じだったしそれができた。でもいまはあんまりそういう気が起きない。もちろんヨーロッパにいるうちにいろいろ観たいとは思うけれど、パリのポンピドゥセンター、グラナダのアルハンブラ宮殿っていうようにどこのこれって限定されていてヨーロッパ一周とかそういうのはとてもできそうにない。

それから適応力。前はもっとフレキシブルだったよなと感じる。トルコの農村にも平気で溶け込むことができた。ここでの生活はだいぶ落ち着いたけれど、いきなりなにかに誘われて二つ返事で引き受けることはあんまりない。まず課題をする時間と体力が確保できるか考える。なんとなくみんなに合わせていってみようっていうこともなくて、自分のしたいことしかしたくないし興味の湧くところだけにいきたい。

最初のころはこれがちょっとショックだったけど、これは私が自分のしたいことがわかってきて絞られてきている良い兆しだととることにした。
  


Posted by u at 08:10Comments(0)

2012年10月09日

大学生





本格的に大学生活が始まりました。
そんなにたくさん授業をとってるわけではないのですが、処理能力が追い付かないため余裕がなくなります。

私は聴講生の様なかたちで学部2回生がとる授業を2つとっています。
ひとつはExperiencing Art and Design。アート体験、といったらいいのかな。
作品と人がどのように出会うか、美術館の歴史や現在の傾向を踏まえて毎週テーマ(鑑賞者、建物、公共、インターネット、自然など)に沿った講義と議論があります。

もうひとつはThe European Art World 1860-1940。
タイトル通り1860年から1940年までの西洋美術史。印象派から戦前までヨーロッパ特にパリが芸術の中心で盛り上がっていたころ。講義、宿題のリーディングについてのディスカッション、視覚分析(絵をみて言葉で表現する訓練)の3つで一回の授業が構成されています。

どちらも指定の読みものが毎週あって、それを読んであることが前提として授業が進む。学期末にはエッセイとグループプレゼンテーションがあり、いまテーマを検討中。
ついていくのは大変だけど、どれも自分が興味あることなので続けられる。わからない単語ばかりで意味がわからなくて諦めてもまた我慢して読んでいくとおもしろくなってく。この2週間ちょっとかじっただけでも美術館を楽しむ幅が広がった気がする。授業で扱った作品や美術館が実際いって自分でみて確かめられるところにあるというのがロンドンの素晴らしいところ。

この合間に英語のクラスが6コマ。これはみんな留学生だから気が楽。
平日は大学と寮の往復。週末は美術館。そんな感じの毎日です。前回みたいに週4でパブなんていってません。




  


Posted by u at 07:42Comments(0)kingston